つくば市の内科・肛門科・内科・AGA・睡眠時無呼吸症候群
肛門科
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痔とは?
肛門と肛門周辺の病気の総称です。
人口の26〜28%(約3000万人)が「痔」と言われています。
とても身近な病気のひとつです。
悪化しやすい病気ですので、症状が出ましたら早めの診療をお勧めします。
痔の種類
じかく
痔核
肛門に強い負担がかかることで、肛門を閉じる役割をするクッション部分が腫れることを痔核と呼びます。痔核には、内痔核と外痔核があります。
じろう
痔瘻
歯状線のくぼみから細菌が入り込み、その膿が肛門周囲にたまります。この状態を肛門周囲膿瘍と呼びます。痔瘻とは、この肛門周囲膿瘍の膿が出た後に肛門内部に通じる管が残った状態のことをいいます。
れっこう
裂肛
硬い便の排泄や下痢によって、肛門が切れる状態のことをいいます。

痔核
痔の中でも最も多く、男女ともに患者の半数以上を占めます。
原因
いきみの繰り返し、便秘、激しい下痢、重い物を持ったときなどに、肛門に負担がかかり、クッション部分が大きくなることがあります。この状態が続くと、痔核が大きくなり、肛門から脱出するようになることがあります。
症状
排便時に血が出る、便が残っている感じがする、肛門から痔核が外へ出ているなどの症状。
内痔核の分類
内痔核は、脱出の頻度によりⅠ〜Ⅳ度に分類されます。激しい痛みを伴う痔核としては、「血栓性外痔核」と「嵌頓痔核」があります。
分類
主な症状
主な治療療法
Ⅰ度

- 痔核の脱出はない。
- 痛みはなく、排便時に鮮血を出血することが多い。
保存療法
Ⅱ度

- 排便時に脱出するが、自然に戻る。
外来処置または手術療法
Ⅲ度

- 脱出して、指で押し込まないと戻らない。
手術療法
Ⅳ度

- 指で押し込んでも戻らず、出たままの状態となる。
- 粘液がしみ出て下着が汚れる。
手術療法
激しい痛みを伴う痔核
血栓性
外痔核

- 肛門周囲に血栓(血の塊)が作られたもの。
- 皮膚が破れて出血することがある。
保存療法
嵌頓痔核

- 痔核内に血栓が多くでき、嵌頓状態(脱出して腫れ、戻らなくなる)となったもの。
保存療法
痔瘻
男性に多い痔です。
肛門周囲膿瘍が出来てから痔瘻へと進んでいきます。
原因
肛門陰窩から細菌が入り込むと、肛門周囲の皮膚が炎症を起こします。この炎症が広がると膿瘍ができます。膿瘍は自然に破れるか切開されることで膿が排出されます。一部の場合はこれで治まることがありますが、約半数の方は膿の管が残った状態で治療が必要になります。この状態を痔瘻といいます。痔瘻の原因としてはストレスやアルコールの摂取が考えられています。
症状
肛門周囲膿瘍の場合、38〜39度の発熱、激しい痛み、腫れが見られます。痔瘻の場合は、膿が出て下着が汚れます。膿の出口がふさがり、再び膿がたまると肛門周囲膿瘍と同様の症状が出現することがあります。
痔瘻の分類
痔瘻は、瘻管の伸びる方向により分類され、それぞれに治療法が異なります。
分類
病巣の深さと特徴
主な治療療法
低位筋間痔瘻

- 内括約筋と外活約筋との間を下に伸びる。
- 痔瘻の約6割を占める。
- 瘻菅が後方にある場合は「切開開放術」
- 瘻菅が前方や側方にある場合は「括約筋温存手術」あるいは「シートン法」
高位筋間痔瘻

- 内括約筋と外活約筋との間を上に伸びる。
- 二次口がないため排膿されない。
- 痔瘻の約1割弱にみられる。
- 括約筋温存手術
坐骨直腸窩痔瘻

- 外括約筋を超えて肛門挙筋の下の方まで伸びる。
- 痔瘻の約3割を占める。
- 肛門保護手術
骨盤直腸窩痔瘻

- 肛門挙筋の上に伸びる。
- 直腸狭窄を起こしやすい。
- ごく稀にみられる。
- 治療が大変困難で、手術をして人工肛門に貼る場合もある。
裂肛
女性に多い痔です。特に20〜40歳代に好発します。
原因
硬い便の排泄や勢いよく出る下痢などにより、肛門の皮膚が切れてしまうことがあります。
症状
出血は少量ですが、排便後もしばらく続く痛みが起こります。慢性化すると、潰瘍が生じることがあり、肛門が狭くなってしまうこともあります。
裂肛の分類
裂肛は、急性期と慢性期に分類されます。
分類
主な症状
主な治療療法
急性期

- 排便時に紙につく程度の出血と痛みがみられる。
- 排便後にもシーンとする痛みが続く。
- 保存療法
慢性期

- 数ヶ月にわたる裂肛のため、深ぼれした潰瘍状になり、皮膚の突起物(見張りイボ)やポリープができたり、肛門狭窄が起きる。
- 場合によっては手術療法
参考文献:マルホ株式会社 「痔」の知識